カルガモについて調べていると、たまに「ヒナの生存率は20%くらい」という話を見かけます。
10羽くらい生まれて、そのうち2羽くらいが大人になる。
私自身も昔は、なんとなくそんなイメージを持っていました。
でも、毎年カルガモ親子を観察して、実際に何十組、何百羽というヒナを追っていると……。
あれ?
ヒナになった後の生存率って、本当に2割しかないの?
というのが、かなり気になるようになりました。
2025年は約42家族、215羽のヒナを観察しました
2025年は、5月12日にその年最初のカルガモ親子を発見。
そこから9月14日の最後の撮影まで、約4か月、126日間にわたってカルガモ親子を観察しました。
観察したのは、およそ42家族。
それぞれの家族を初めて発見した時点で確認したヒナの数を合計すると、215羽になりました。
そして、そのうち生後60日前後まで生き延び、若鳥まで成長したと考えているヒナが約135羽。
単純に計算すると、
135 ÷ 215 = 約62.8%
なので、私の2025年の観察記録だけを見ると、発見したヒナの約63%が若鳥まで成長したということになります。
もちろん、これは学術的な調査として算出した数字ではありません。
ある程度成長したあと別の場所へ移動して観察できなくなった家族などについては、その後も生存したと推定している個体が少数含まれています。
逆に、私がその家族を発見する前に死亡したヒナがいたとしても、それは215羽には入りません。
なので、正確には、
「私がカルガモ親子として発見した時点のヒナが、その後どれくらい育ったのか」
という数字です。
それでも、20%というイメージとはかなり違うんですよね。
そもそも「生存率」のスタート地点はどこなんだろう
ここが、個人的にはかなり重要なんじゃないかと思っています。
「カルガモのヒナの生存率」と言っても、どこから数えるかによって数字は全然違うはずです。
卵が産まれた時点からなのか。
孵化した瞬間からなのか。
巣から出た時点なのか。
母カモについて水辺まで無事に移動できた時点なのか。
それとも、私たちが普通に「カルガモ親子がいる!」と発見できる段階からなのか。
そして、どこまで育ったら「生存」と数えるのか。
これだけでも、かなり数字が変わってくると思います。
私が普段カルガモ親子を見つける頃には、多くの場合すでに孵化していて、母カモについて巣を離れ、川や池を泳いでいます。
つまり、我々が「ヒナ」として目にした時点で、実はその前にいくつもの難関を突破しているんですよね。
「2割」という数字について個人的に気になっていること
よく言われる20%という数字の由来について、私はまだきちんと確認できていません。
ただ、カルガモは1回の繁殖で10羽前後のヒナを連れていることが多く、親はオスとメスで2羽。
単純に考えると、「10羽生まれて2羽が次の世代を残せるところまで行けば、2羽の親を置き換えられる」というような話と混ざって伝わっている部分もあるのかな?と思ったりします。
もちろん、これは私の推測です。
でも、もしそうだとすると、
「次世代を残せるところまで到達する割合」
と、
「すでに母親と泳いでいるヒナが若鳥まで育つ割合」
は、全然別の話なんですよね。
ヒナが無事に育ったとしても、そこからさらに生き延び、伴侶を見つけ、繁殖場所を確保して、母カモなら抱卵場所を見つけ、卵を産み、抱卵に成功して、孵化させる必要があります。
そして孵化したあとも、巣から子育て場所まで無事に移動できるとは限りません。
考えてみると、「次世代を残す」というところまでには、ヒナ時代以外にもかなりたくさんの関門があります。
私がむしろ気になっているのは、ヒナになる前です
私自身、これまでカルガモの抱卵場所を見つけて、その卵が全滅してしまった例を少なくとも6例観察しています。
これが結構気になるんです。
カルガモ親子を見ていると、ヒナは想像していたよりずっと生き残る。
でも、その一方で、そもそも卵が無事に孵化するところまで行かない例も何度も見ています。
なので、個人的な観察感覚としては、
「ヒナの生存率がものすごく低い」というより、ヒナとして我々の目に触れる段階まで来ること自体が、思っている以上に難しいのでは?
という感じがしています。
もちろん、これは私が観察している地域や環境にかなり左右されるはずです。
卵の場所も違えば、捕食者も違うし、川なのか池なのかでも条件は違います。
なので、全国のカルガモにそのまま当てはめるつもりはありません。
孵化しても、まだ「親子として見られる」とは限らない
あ、あと、もう一つ気になるのが生まれた直後です。
無事に孵化したとしても、その場所がそのまま安全な子育て場所とは限りません。
カルガモは、孵化したヒナを連れて別の水辺へ移動することがあります。
私が普段撮影しているカルガモ親子でも、堰や急斜面、段差などを越えながら移動している姿を何度も観察しています。
さらに、私はヒナが外へ出られない池で生まれ、その後全滅してしまうパターンも何度も見ています。
これも、単純な「ヒナが何羽生まれた」という数字だけでは見えにくい部分です。
孵化した。
でも、水辺までたどり着けない。
水辺には着いたけれど、その場所から出られない。
そういうことも実際にあります。
そう考えると、我々が川で母カモの後ろを泳ぐヒナを見つけて「カルガモ親子だ!」となった時点で、すでに結構すごいところまで来ているのかもしれません。
2025年最初のAf組は14羽から13羽が成長
2025年に最初に発見したのはAf組でした。
母カモが連れていたヒナは14羽。
途中で1羽を失いましたが、13羽が大きく成長しました。
発見時から考えると、この家族だけなら生存率は約93%です。
生後60日頃を超えてからも観察することができ、幼かったヒナたちが羽ばたき、実際に飛ぶところまで記録できました。
最初の頃にはナマズと遭遇したり、母カモが他のカモに襲われたり、突然ヒナを置いて飛んでいったり……かなりいろいろありました。
それでも13羽が育った。
一方で、2025年にはヒナが全滅してしまった母カモもおよそ4羽確認しています。
この差がすごいんですよね。
ほとんど減らない家族もいれば、短期間でどんどんヒナが減ってしまう家族もいる。
同じ川にいるカルガモでも、本当に家族ごとの差が大きいです。
だから「カルガモのヒナの生存率は20%」とは簡単に言えない気がする
別に、私は「20%という数字は間違いだ!」と言いたいわけではありません。
そもそも、その20%が何を起点にして、どこまで生き残った割合なのか。
そこが分からないまま、
「カルガモは10羽生まれても8羽死んで、2羽しか大人になれない」
というイメージだけが広がると、私が実際に観察している感覚とはかなり違ってきます。
私の2025年の約63%も、
発見時点のヒナ215羽 → 生後60日前後の若鳥
という条件で出した数字です。
卵215個から135羽が育ったわけではありません。
ここはかなり重要です。
むしろ今のところ私が感じているのは、
産卵
↓
抱卵
↓
孵化
↓
巣から出る
↓
子育て場所へ移動
↓
我々が「カルガモ親子」として発見
↓
ヒナが成長
↓
若鳥になる
という流れの中で、我々がヒナを見る以前にもかなり大きなリスクがあるんじゃないかということです。
そして、ヒナとして無事に姿を見せてからの生存率は、私が昔想像していたよりもずっと高い。
少なくとも、自分の観察記録ではそんな印象があります。
このへんは今後、過去の年の記録もちゃんと数えて比較してみたいです。
42家族・215羽を追った126日間を「番組」にまとめました
というわけで、今回この数字を改めて数えるきっかけになったのが、YouTubeの「番組」機能でした。
せっかくなので、2025年に撮影したカルガモ親子の観察記録を、最初の日から順番に見られるようにまとめてみました。
番組タイトルは、
カルガモ親子観察記録|42家族・215羽のヒナを追った126日間【2025年】
2025年5月12日に最初のAf組を発見してから、9月14日の最後の撮影まで126日間。
約42家族、発見時のヒナ合計215羽を追った記録です。
最後の頃まで観察していたシf組は6羽。
成長途中では母とヒナが離れていたり、ヒナ同士もバラバラに行動していたりして、6羽全員を一度に確認できない日もかなりありました。
それでも6羽は生き延び、9月14日には生後59日頃まで成長した6羽と母カモが揃っているところを確認。
これが2025年のカルガモ親子を撮影した最後の記録になりました。
番組では、印象的なシーンだけを並べたわけではありません。
ナマズとの遭遇、他のカモとの争い、突然の置き去り、堰への挑戦、迷子などがある一方で、ただ泳いでいたり、採餌していたり、母のお腹の下で寝ていたり、なかなか起きなかったりします。
てか、お昼寝は本当に長いw
そういう何も起きない時間も含め、撮影日の順番で残してきた記録です。
全部を最初から最後まで見るにはものすごい時間がかかるので、そういう見方を想定しているわけでもありません。
「この家族、この頃どうしてたっけ?」
「このヒナたち、最初は何羽だった?」
「この後ちゃんと育ったんだっけ?」
みたいな時に、後から時系列をたどれる映像資料として残しておきたいという意味合いが強いです。
まさに、このブログと似たような役割かもしれません。
身近な生き物語として日々撮ってきた映像がかなり大量にあるので、2024年以前についても、できれば少しずつ同じように整理していきたいと思っています。
2025年の数字を一応まとめておきます
- 観察期間:2025年5月12日~9月14日
- 撮影記録期間:126日間
- 観察したカルガモ親子:約42家族
- 各家族の発見時に確認したヒナ:合計215羽
- 若鳥まで成長したと推定するヒナ:約135羽
- 発見時からの推定生存率:約63%
もちろん、この数字だけでカルガモ全体の生存率を語ることはできません。
ただ、「ヒナの生存率は2割くらい」というイメージを持っていると、実際に毎日観察して数えてみた結果はかなり意外でした。
そして個人的には、ヒナが生まれた後よりも、その前後――卵、抱卵、孵化、最初の引っ越しあたりをもっとちゃんと記録してみたいです。
多分、そのへんを含めて初めて「カルガモが次の世代を残すのはどれくらい大変なのか」が少し見えてくるんじゃないかなと思っています。
まだ分からないことだらけですが、そのためにも映像と数字を残しておきます。
YouTubeチャンネル:
身近な生き物語 @naturaloop
https://www.youtube.com/@naturaloop
2025年 カルガモ親子観察記録:
カルガモ親子観察記録|42家族・215羽のヒナを追った126日間【2025年】
日々の観察メモ・ほぼ無編集の記録映像:
🦆Raw Bird & Wildlife Footage | No BGM🌍️
https://www.youtube.com/playlist?list=PLL7dTQKKqrPzZpmfSA98tn9tXWfkp1jBB
使用カメラについての本音レビュー:
https://mochico25.hatenablog.com/entry/20260907/1788755956
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